2011年1月28日金曜日

YOU MAY DO YA #2

- Ten Nights of Dream #2 -



 言葉の雨が降る。

 激しく、とめどもなく。

 ふらふらと右へ倒れそうになると、右ストレイトが待ちかまえ、左へ倒れそうになると、左ストレイトが待ちかまえる。

 振り子のように、右へ、左へ、左へ、右へ、かなしみのダンスを踊る、わたし。

 いっそのこと、ひと思いに突き刺してくれたなら、と思う。

 とめどもない言葉の雨に打たれ、爪先立ちで、踊りつづける。



 きみのボッサノーバは、わたしのブルーズ。

 きみのスキャットは、わたしのハミング。

 きみの連符は、わたしの休符。

 生まれるシンコペーション。



 やまない雨は、次第に強さを増していく。

 きみはまるで、どこまで言えばわたしが傷つくかを試しているかのよう。

 ちょうど、庭に蟻(あり)の巣を見つけた幼い子どもが、たわむれに巣に指を突っ込んで、どこまで壊すことができるかを試すように。

 どこまで殴ればわたしが倒れるか。見届ければ、きみは満足したのだろうか。

 我に返り、じぶんの残酷さに、おそれおののく、きみ。



 きみがそんなに泣くから、じぶんも泣いてしまいたくなった。

 けれども、ここでじぶんが泣くのは、ひどくずるいような気がして、こらえたら、じわりと浮かんだ涙が、すっと呑みこまれた。

 がまんできるじぶんが、がまんできてしまうじぶんが、とてもうらめしく、しらじらしく思えた。

 じぶんの弱さを見せられる強さが、わたしには、ない。

 泣くことがずるいのではなく、泣かないことがずるいのだろうか。

 じぶんの身を守るための鎧(よろい)が邪魔をして、なみだがおもてに、出なくなってしまったのか。

 わたしはたずねる。「なぜもっとはやく言ってくれなかったのか?」

 「なんども言いたかったのに、言う隙を与えてくれなかった」



 じぶんを守るための鎧(よろい)のはずが、人のこころをも苦しめることを知る。



 冷えた身体を引きずって、ひとりの世界に帰って、ふっと鏡を見れば、なみだでにじんだマスカラが、ひどく滑稽に思えた。

 まるでピエロのように見えて、とてもかなしいはずなのに、わらってしまった。







 疲れた身を横たえて、泥のように眠った時、こんな夢を見た。

 川べりを散歩していると、何やら人だかりが出来ていた。

 見れば、爺さんが一人、輪の中心に居り、余り(あまり)関わりたくないとでも言うように見物人達は距離を置いて見て居るのが分かった。

 爺さんは自分の芸当を見せようと躍起になっている様子で手品を披露しようとするが、何も起こらない。

 「見ておろう、見ておろう」

 そう言っては繰り返し繰り返し技を仕掛けるが一向に成功せぬ。

 とうとう痺れ(しびれ)を切らした見物人が立ち去ろうとした時、爺さんは、

 「今になる、きっとなる」

 と言ってすっくと立ち上がり、我々に背を向け、目の前の川の方へ向かったかと思うと、ざぶざぶと水の中へ入って行った。

 どんどん沈んでいったが、皆、直ぐ(すぐ)に上がって来るだろうと思って、何もせずにじっと待っていた。

 どうせ「見ておろう、見ておろう」と言い、ずぶ濡れになりながら、上がって来るだろう、と。

 しかしながら、いくら待っても爺さんは上がって来ず、川面は静かな流れを取り戻した。

 後に聞いた話では、服にあちこち隠していた手品の種が水を含んで重しとなり、爺さんは上がるに上がって来れなくなったのではないかと言う。

 自分で仕込んだからくりに溺れ、死んだのだ、と。







 爺さんの死を見届けて、泥沼の薄墨からゆっくり引き上げられて目覚めたとき、我が鎧(よろい)が脱げていることを、願った。

 脱皮したばかりで、まだ痛々しいくらいに過敏な肌に震える、裸の生き物のようであるように、と。

 そして、映画『シティ・オブ・エンジェル』で、天使から人間に成り変わった青年が、はじめての行為を行った時、

「あたたかくて、ほんのすこし、痛い」

 と言ったときの気持ちを、想像してみるのである。










Bob Dylan - ‘A Hard Rain's a-Gonna Fall’





■「YOU MAY DO YA #1」
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1598330629&owner_id=32357395

2011年1月7日金曜日

60,000 Billion Lives

 あけまして、おめでとうございます。

 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて。

 こころとは、いったいどこにあるのでしょうね?

 ヒトの身体は、器官の集まりだといいます。器官は組織からできていて、組織は細胞でできていて、細胞は素粒子からできていて。ココロという実態はどこにもない、と。

 では、私たちの喜怒哀楽の源になっている、こころ、感情とは、どこからやってくるのでしょう?

 人は、約60兆もの細胞から成り立つ生命体だといいます。私は、この数字を考えるだけで、奇跡を感じるのですが……。

 たとえば、ぴゅうっと冷たい風が吹き抜けたとします。その時、「おお、寒い」と思うか、「いやあ、気が引きしまる」と思うかは、その人の、その時の、気の持ちようであったり、それまでの経験に培われた感受性だったり、さまざまな要因があるのだと思いますが、細胞レベルでは同じ温度を同じように感受しているはずなのに、それに対する反応が違うというのは、どういうことなのでしょうか? 私は、それが「こころ」なのではないかと思うのです。

 こころとは、うつろいやすく、はかなく、それでいて、根源に根差した(「三つ子の魂百まで」といいますね)、一瞬一瞬の感応の結果ではないか、と。

 「あの人にはこころがない」とか「あの人のこころが分からない」とか言うことがありますが、それも仕方がない、と考えたりします。自分と同じ約60兆の細胞を持っている生命ですが、まったく同じように感応するわけがないのですから。自分とは、違う反応をしているだけだ、と考えたりします。

 だからこそ、目には見えない、一瞬一瞬の感応の積み重ねの中で、「こころにふれる」ような、「たましいがふるえる」ような時が得られたなら、それこそ奇跡なのではないかと思うのです。感応と感応が共鳴した時に、「こころが通う」というのではないかと。

 決して、当たり前ではないのだ、と思うのです。



 さてさて。

 そんな瞬間を逃さないよう、こころを尽くしてのぞむ、"butterfly effect" 関連のライヴを、告知させていただきます!

 まずは、my mixi のパープルジャスミンちゃんが先に告知してくれていたのですが、あまりにもじぶんが思っていたことと同じことが書かれていた(これぞまさしく共鳴)ので、コピペ(てへ)♪

 人の縁(えにし)とは、不思議ですね。さまざまな縁にささえられて、今、ここにいるわけですが、まったく予想外の刺激的な体験でございます! なんと、大学生さんたちのダンスサークル卒業公演のお手伝いさせていただくことになりました。

 近くにお住まいのかた、ご興味あるかた、ぜひご覧くださいませ。


---------- ここから ----------

[元日記URL]:
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1648525230&owner_id=4611180

今日はとうとう 大みそかですね

今回、わたくしたちガールズジェンベ隊のバタフライ エフェクトのリーダーである 奈桜ちゃんからのお話で、
なんと神田語学大学の4年生たちによる、卒業ダンスミュージカルの中に出ることになりました

ジェンベとダンサーによるコラボ、ダンスバトル、総勢28人のピッチピチの初々しいダンサーさん達とご一緒することにっ



昨日一日、顔合わせと練習だったのですが、「えーーーーっ」って、口があんぐりなほどの 濃い内容

ダンスのレベルも最高で こちらもノリノリに

ジャンルもたくさんあり、HIPHOPやハウス、ブレイク、レゲエ、セクシー系、バレエスタイルなどなど、見ごたえたっぷりでびっくり

四年間の大学生活のなかで、サークルを本当に踊りが大好きで

みんな一緒に 一生懸命頑張ってきたんだろうな~いいな~

あたしってこんなにキラキラした学生だったっけ(笑) 
とかいろいろ考えさせられました

みなさん 真剣そのもの 瞳がキラキラしてるの
生き生きしていて 感動した



「最近の若者は~」とかいろいろ言うこともありますが、目からうろこ的な
礼儀正しくダンスが好きだっていう純粋なオーラ全開の彼らでした

是非 見にいらしてください 
きっと 青春を感じると思う

もちろん ダンス好きも、音楽好きも、舞台好きも、なんでもなくても、一見の価値ありですっ

衣装もバンバン変わるわ、人数が多いので迫力もスゴイ

今回はバタフライから、リーダー奈桜ちゃん、み○こちゃん、ばけるくん、と私がジェンベ隊、そして、さかまきさん(サンバン)が急遽参加してくださることに

練習の通し稽古を見せてもらい、本番でなくても、
わたしが何か忘れていた「夢中になること」を思い出させてもらいました

        MUSEUM@Milleniam House 

    「詩人の眠る美術館と音楽に救われた一人の少年の物語」 

  All Presented by Step-IN 17th  (神田外語大学 ミレニアムハウス)
  
  1月8日 土曜日 13時半~ 
      1月11日 火曜日 17時~ の2回公演となります


アクセス

京葉件海浜幕張駅北口 徒歩15分

総武線・京成線 幕張駅南口 徒歩20分

何気に駅から遠くはないですよ 是非是非~

---------- ここまで ----------

※わたくしが参加するのは、8日のみ。他のメンバーは、8, 11日両日参加いたします。



 さて、つづいて、"butterfly effect" のライヴです。


■2011.1.16 Sun. 19:00~? @ CHAD, 池尻大橋
 http://www16.ocn.ne.jp/~chad/MyPage/menu0.html

■2011.2.26 Sat. 19:00~? @ ALMANAC HOUSE, 市川
 http://www.h4.dion.ne.jp/~almanac/


 あと、まだ仮ですが、以下も決まりそうです!(ちょいフライング気味。。)


■2011.2.4 Fri. 19:00~? @ Live Cafe 弁天, 新中野
 http://www.benten55.com/top.htm



 "butterfly effect" とはなんぞや?というかたは、恐れ入りますがトップページのプロフィールをご覧くださいませ。
 http://mixi.jp/show_profile.pl?id=32357395



 ではでは。

 いつか、どこかで、こころとこころがふれ合う日が来るのを楽しみに、あなたをお待ちしております。





 BGM: Stephen Stills - ‘Love the One You're With’