2010年12月24日金曜日

Someday at Christmas

 年の瀬でございますね。

 さて、クリスマス・イヴですが。

 クリスマスといえば、わたくし、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』(という小説)が大好きでございます。。この時期になると、時々読み返したくなる小説でございます。。去年だか一昨年前だか、ディズニー版の映画も観に行ってしまいました。。たしか、六本木の映画館だったのですけれど、一番前の座席しか空いていなくて。3D 映画でございましたが、あまり 3D感 のない 3D映像を堪能いたしました。。ちなみに、ジム・キャリーさんがスクルージ役でして、わたくし的にはぴったりだと思いました。。


 さて。

 せっかくなので、わたくしの好きなクリスマス・アルバム、クリスマス・ソングなど、ご紹介してみようかなと思います。ウキウキするようなクリスマス・ソングだったり、しっとり聴きたいクリスマス・アルバムだったり。。? クリスマス気分を盛り上げる手伝いになれば、幸いです。



■ The Phil Spector Christmas Album(フィル・スペクターズ・クリスマス・アルバム)

1. White Christmas - Darlene Love
2. Frosty The Snowman - Ronettes
3. The Bells Of St. Mary - Bob B. Soxx And The Blue Jeans
4. Santa Claus Is Coming To Town - Crystals
5. Sleigh Ride - Ronettes
6. Marshmallow World - Darlene Love
7. I Saw Mommy Kissing Santa Claus - Ronettes
8. Rudolph The Red-Nosed Reindeer - Crystals
9. Winter Wonderland - Darlene Love
10. Parade Of The Wooden Soldiers - Crystals
11. Christmas (Baby Please Come Home) - Darlene Love
12. Here Comes Santa Claus - Bob B. Soxx And The Blue Jeans
13. Silent Night - Phil Spector And Artists


[http://www.youtube.com/watch?v=37v0CE-pXss:movie]

 はい、定番中の定番、フィル・スペクターさんのクリスマス・アルバムでございます。個人的には、これなくしてクリスマス・アルバム特集はありえない、というくらい欠かせないアルバムです。

 フィル・スペクターさんが生み出したウォール・オブ・サウンド(音の壁)と言われる、もこっとして、キラキラしたサウンドが、クリスマスにぴったり、だと思うのですが、いかがでしょう?

 ガールズ・ポップ・グループによるちょっぴりせつない歌唱が胸キュン(笑)な気持ちを高めてくれます。



■ Jackson 5 / Christmas Album(ジャクソン・ファイヴ / クリスマス・アルバム)

1. Have Yourself A Merry Little Christmas
2. Santa Claus Is Comin' To Town
3. The Christmas Song
4. Up On The House Top
5. Frosty The Snowman
6. The Little Drummer Boy
7. Rudolph The Red-Nosed Reindeer
8. Christmas Won't Be The Same This Year
9. Give Love On Christmas Day
10. Someday At Christmas
11. I Saw Mommy Kissing Santa Claus


[http://www.youtube.com/watch?v=gmUW2pVAopc:movie]


 こちらも定番でしょうかね。

 Motown の多くのアーティストがクリスマス・ソングを歌っていて、コンピレーション盤もいろいろ出ていますが。やはり、ここは、Jackson 5 でしょうか。

 一番好きなのは、M-2.「Santa Claus Is Comin' To Town」でしょうか。このころの Michael は、かわいかったですね。。(いえ、あの、その、「このころ」を強調するつもりはないのですが。。)

 M-11.「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」(邦題:ママがサンタにキッスした)は、幼い Michael の驚異的な歌のうまさに涙が出そうになります。。それにしても、かわいらしい曲ですよね。サンタに扮したパパに、ママがチュ~しているところを見てしまう、という。。幸福な家庭の光景が目に浮かびますね。とてもほほえましいです。



■ The Brian Setzer Orchestra / Boogie Woogie Christmas(ブライアン・セッツァー・オーケストラ / ブギ・ウギ・クリスマス)

1. Jingle Bells
2. Boogie Woogie Santa Claus
3. Winter Wonderland
4. Blue Christmas
5. Santa Claus is Back in Town
6. Baby It's Cold Outside
7. The Nutcracker Suite
8. The Man with the Bag
9. Sleigh Ride
10. Run Rudolph Run
11. Cactus Christmas
12. So They Say It's Christmas
13. O Holy Night
14. The Amens


[http://www.youtube.com/watch?v=DUyQdolNop0:movie]


 いちおう、ロック DJ を自ら名乗ったりしているので、ロッキンなクリスマス・アルバムを。。Brian Setzer Orchestra のクリスマス・アルバムでございます。スタンダード曲のカバーに、オリジナル曲が1曲が収録されています。

 B.S.O. はジャズのスタンダードとしても有名な「In The Mood」なんかもロッキンかつスウィンギンにカバーしていて、クリスマス・ソングもいいんじゃないかな~と思っていたら、やっぱりやってくれた、という感じです。

 とにかく、スウィンギン! まさに boogie woogie! 踊れて、楽しいクリスマス・アルバムです。



 ほか、

■ The Beach Boys / Christmas Harmonies(ビーチ・ボーイズ / クリスマス・ハーモニー)

 も聴きたくなります。わたくし、ビーチ・ボーイズを真冬に聴くのが好きなのです(真夏に聴くのも大好きですが。。)。胸がキュッとなるような、せつない気持ちになります。。



 あと、変わったところでは、

■ Bob Dylan / Christmas in the Heart(ボブ・ディラン / クリスマス・イン・ザ・ハート)

 ですかね。ボブ・ディランさんが2009年に発表したクリスマス・アルバムでございます。40年越のキャリアの中で、初のクリスマス・アルバムでした。奇をてらうことなく、定番のスタンダード曲を、あたたかみのあるアメリカン・ルーツ・ミュージック的アレンジでカバーしております。



 しっとり聴くなら、アル・ジャロウやヘイリー・ロレンのクリスマス・アルバムもいいですね。

 女性が多いシーンだったら、シカゴやカーペンターズのクリスマス・アルバムをかけましょうか。Beegie Adair(ビージー・アデール)というジャズのピアニストの『My Piano Christmas』も、いいですね。コロコロしたピアノの音色が心地よいです。

 オシャレなカフェなどで曲をかけるなら、333DISCS というレーベルから出たクリスマス・コンピをかけますかね。


■ Christmas Songs
 
1 原田知世 Frosty the Snowman
2 細野晴臣 Rudolph the Red-Nosed Reindeer [赤鼻のトナカイ]
3 高橋幸宏 White Christmas
4 トクマルシューゴ Christmas Eve ~ We Wish You a Merry Christmas
5 ショーン・オヘイガン (ハイラマズ) Kabon's Christmas
6 コトリンゴ Sleigh Ride [そりすべり]
7 naomi & goro God Rest Ye Merry Gentlemen
8 嶺川貴子 Listen, The Snow Is Falling
9 伊藤ゴロー Snow
10 Arthur Jeffes (The Penguin Cafe) Finland
11 坂本龍一 Merry Christmas Mr.Lawrence re-modeled by Goro Ito

http://333discs.jp/disc=1098


 個人的には、M-4. トクマルシューゴ「Christmas Eve」 が、なぜかのサーフ・ロック風アレンジで好きでございます。M-5. ショーン・オヘイガン (ハイラマズ)「Kabon's Christmas」も、音響系のフワフワした感じが好きですね。また、教授さんの「戦メリ」で終わるあたりが、OL 泣いちゃうよ。。という感じでしょうかね??

 まあ、とはいえ、オシャレなところで DJ をする機会には恵まれないのですが。。(笑)



 そして、クリスマス・ソングということですと、日記タイトルにもした、Stevie Wonder の「Someday at Christmas」が大好きです。

 いつかのクリスマス、男はもはや少年ではいられなくなる…という印象的な出だしで、世界の平和を祈り、貧富の差のない社会を願うという内容です。

 あとは、The Supremes の「My Favorite Things」や Paul McCartney さんの「Wonderful Christmastime」ですかね。いえ、もちろん、John Lennon さんの「Happy Xmas (War Is Over)」も好きなのですけれど。定番すぎて、「Happy Xmas」はあまりかけなくなりました。でも、やっぱり聴きたくなって、かけちゃうんですけどね。(どっちじゃ?)


 また、クリスマス・ソングではないのですけれど、この時期よくかけるのが、


■ The Clash / Hitsville U.K. (クラッシュ / ヒッツヴィル・UK)


[http://www.youtube.com/watch?v=opFyTAA0DiI:movie]


 クラッシュの4枚目のアルバム、『Sandinista!(サンディニスタ!)』収録の楽曲です。なぜか、好きなのですよね。もこっとしたサウンドに、フィーチャーされた女性ボーカリストの少年のような声の響きが、夢を見ているような不思議な感覚にさせる楽曲です。



■ Blur / Tender (ブラー / テンダー)


[http://www.youtube.com/watch?v=WNy0ZRLrtis:movie]


 ブラーのアルバム『13(サーティーン)』に収録されている楽曲です。ゴスペル調の分厚いコーラスが印象的で、荘厳な気持ちにさせてくれます。

 クリスマスのこの時期の夜更けに、そっと聴きたくなります...。



■ Cyndi Lauper / What's Going on(シンディ・ローパー / ワッツ・ゴーイング・オン)


[http://www.youtube.com/watch?v=2hzxxoVCobQ:movie]


 ご存知、Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)さんの楽曲ですが、シンディ・ローパーさんのカバー・バージョンでございます。2003年発表のベストアルバムに収録されておりました。オリジナルも大好きなのですが、この時期になると、なぜかこのバージョンが聴きたくなります。。男声と女声の違いなのでしょうか。。マーヴィン・ゲイさんの太く力強い歌声のほうは、普段のなにげない日常に聴きたく、シンディ・ローパーさんのハイトーンで、涙腺を刺激するような(まるで幼い少女が泣き叫んでいるような)歌声のほうは、特別な時に聴きたくなる、ということなのかもしれません。もちろん、どちらが良いとか悪いということはありませんし、気分によって、真逆になることもありますが。。

 ちなみに、シンディ・ローパーさんといえば、2008年に、The Hives とのコラボレイション楽曲を期間限定で無料配信していましたね。
 (現在は、iTunes などでダウンロード購入できるようです)

■ The Hives & Cyndi Lauper / A Christmas Duel

 スウェーデン出身のガレージロック/オルタナティヴ バンドの The Hives によるオールドタイム風アレンジの演奏と、シンディさんのエモーショナルな歌唱。意外な組み合わせかと思いきや、なかなかすてきにマッチして、良い、です。クリスマスならではの取り合わせといったところでしょうか。





 などなど。いろいろご紹介してみましたが。なにか、お気に召すものがありましたでしょうか?

 ではでは。



 I wish you a Merry Christmas and a Happy New Year!!

2010年12月17日金曜日

You've Got Me Under Your Skin

 お寒うございますね。

 さて。

 先日、某○流の歌い手さんグループのかたがたとお会いしました。『野獣系』なんて言われていて、ワイルドさを売りにしているグループのようです。どんな人たちなのだろう? コワい人たちだったらどうぢよう。。と思っていましたが。。

 たしかにファッションや雰囲気はワイルドではありました。が、全然、野獣という感じではなかったです。とてもジェントルでソフトな印象を受けました。仕事(プロモーション)でお会いしたのですけれど、笑顔で自己紹介するさまは、人懐っこい感じもあり、(おそらく)憶えたてであろう日本語をしゃべるさまは、一生懸命さもあり。。

 じぶんのなかにワイルドさを持つ(野性味を持つ)ことと、他人に対してワイルドである(粗暴である)ことは、ぜんぜん違うのだろうなあ、と思った次第でございます。



 さてさて。話は変わりますが。

 太鼓って、演奏している自分が感じる音と、客観的に聴く音は、異なるみたいですね?

 自分としてはいい感じのつもりでいたのに、後で録音したものを聴くと、「あれ?」となることがあります。でも、この、「あれ?」が、皆さんに聴こえている音なのですよね。。

 この相違、ワタクシが叩いているジェンベという楽器が、身体にぴったり添えて叩く楽器だからというのがあるのでしょうか。楽器そのものの音をダイレクトに受け取っているからなのですかね?

 他の楽器でもそうなのでしょうか。電気じゃないギターとか? バイオリンとかチェロとか、弦楽器ってそうですかね。管楽器なんかも? 電気を通さない楽器ってそんな感じなのでしょうか??

 歌は、そうですよね。自分で聴いている声と実際の声が違いすぎて、びっくりするという話はよく聴きますものね。

 わたくしも、録音された自分の声を初めて聴いたときは愕然としました。。なんだ、このバカっぽそうな声の女は。。と。。。

 ずっと、コンプレックスを持っていましたが、あきらめました。これが私の個性ということにして。。

 が、パーカッションのほうは、客観的に聴いても、ココチヨイ音が出せるよう、日々努力しているところでございます。。



 ところで。

 先週、12/11(土)、告知していましたイベントでパーカッションを叩いてきました。

 ダンスの伴奏を務めさせていただいたのですが。。

 イベント終了後、とあるダンサーさんから、うれしいことに、「なおちゃんは(タイコの)音が鳴ってますね」と言っていただきました!

 これ、今のわたくしにとっては、なによりもうれしい言葉でした。

 ちょっと待ってよ、楽器を演奏したら、音が鳴るのは当たり前ぢゃん。と思う方もいるかもしれませんが。。

 恐らくなんですけどね、ダンサーさんが伝えたかったのは、きっと、こうなのでしょう。

 楽器を演奏すれば、たしかに、音は出ます。でも、“音が出る”ことと“音が鳴る”ことは、違うのでしょう。そのかたにとっては、私が演奏する音が“鳴っている”ように聴こえた、ということなのではないでしょうか。。だとしたら、こんなうれしい言葉はありません! テクニックうんぬんを褒められるよりも、うれしいことです。

 まだまだ、自分的にはそんなレベルではないと思いますし、もっと上のレベルを目指してはおりますが、『いま』のわたしには、充分な言葉です。

 より腕を磨いて、小手先ではない、楽器本来の音、本来、その楽器が“鳴らされたがっている”音を鳴らせられるようになりたいものです。

 もし、楽器が魂を持つなら、その魂が発する声、のようなものを。。

 それに触れる手を介して、楽器のボディと自分のカラダが共鳴するような音、が理想ですね。

 はい、日々、精進でございます。。。

 さあ、明日 12/18(土)は、アルマナックハウスさんで "butterfly effect" のライヴをやらせていただきます。

 どんな音が鳴らせるか。。とても、楽しみです。

 ではでは。





 【クイズ】:

 この中で一番、心地よく聴こえるのはどれでしょう?


  (1) ソコソコの弦を張った、高級なギターを、下手な人が弾く

  (2) 高級な弦を張った、ソコソコのギターを、下手な人が弾く

  (3) ソコソコの弦を張った、ソコソコのギターを、名人が弾く


 これ、割とよく知られた(?)クイズのようなのですが、他の楽器にも例えられますよね?

 ソコソコの皮を張った、高級なタイコを...とか、ソコソコのリードをつけた、高級なサクソフォンを...とかとか。。:)







 BGM: Rolling Stones -‘Can't You Hear Me Knocking?’



---

"butterfly effect" ライヴ予定...

■ 2010.12.18(土) @ アルマナックハウス, 市川
  http://www.h4.dion.ne.jp/~almanac/

■ 2011.1.16(日) @ CHAD, 池尻大橋
  http://www16.ocn.ne.jp/~chad/MyPage/menu0.html

2010年12月10日金曜日

Terror Twilight

 忘年会シーズンですね。。わたくし、今週すでに二回、来週は三回、そのまた来週も三回、年末に二回、控えております。。体調とか、ウェストのサイズとか、お肌の調子とか(笑)、いろいろ気をつけなくてはいけません。。

 さて、唐突ですが。わたくし、歩くことが好きです。

 会社からもよく歩いて帰っていたりなんかします。ええと、片道1時間半くらいですかね。途中の駅までですと45分。さらにもっと近い駅だと15分くらい。余裕がある時は1時間半コースで、帰宅時間が遅い時は45分コース、さらに遅い時やかなり疲れている時は15分コースなど、使い分けている感じです。

 元々の動機は、健康維持のためでした。

 仕事で毎日帰宅が遅く、ジムなどに通っている時間がない(一度試しましたが、続きませんでした。。何ヶ月も無駄に月会費を払ったりしましたっけ。。) & あきっぽい性格の自分が続けられること、といったら、非常に限られてしまいます。どうしたものか、と思っていた時に、何かのきっかけで、通勤時間を運動時間に充てることにしたらいいんじゃないか、と思い付いた次第です。電車に乗っても、乗換だのなんだかんだで、結局30分以上はかかりますからね。

 で、これ、やってみると、意外と良いのです。

 歩いている時にゆっくり考えごとをしたり。
 頭の中の整理をしたり。

 会社の中にいる時には思いつかなかったアイディアが浮かぶこともあります。

 嫌なことはなるべくその日のうちにリセットしたいたちなのですが、歩いているうちに解消されるような気もします。心身ともにリラックスした状態になるのですかね。

 あとは、じっくり音楽を聴いてみたり、DJのアイディアを膨らませたり、パーカッションの練習の予習やら復讐。。ちがう、復習をしたり。。。

 と、自分にとってかなり有効かつ密度の濃い時間なのです。仕事モードのワタクシとプライベートモードのワタクシを、いい具合に切り替える為の、重要な時間となっているのかもしれません。

 ちなみに、なるべく交通量の少ない道、あと、人通りが少ない道を選ぶようにしております。なにしろ考えごとをしたり、ヘッドフォンで音楽を聴いたりするので、あぶないですからね。交通安全的にも、人的にも。

 その中で、お気に入りのコースがありまして。大きな墓地があるのですけれど、その脇を抜けて行くコースが、一番人通りが少なく、ショートカットできるので、気に入っていたのですが。。

 去年、出合ってしまったのですよ。。ちょうど、墓地の脇を通り過ぎようとした時。。

 裸で歩いている男の人に。。。

 いやあ、びっくりしました。さいしょ、ジョギングしている人かな? くらいに思っていたのですが。

 なんだか、ふらふら歩いている人がいるなあ。

 やけに身体にぴったりした服を着ているなあ。

 やけに肌色っぽい服を着ているなあ。

 ……つか、何も着てなかった! というわけでして。。思わず、ぎゃあ、と声を上げて元来た道へ逃げ去りました。。

 しかし、落ち着いてみると、だんだん腹が立ってきました。見たくもないものを見せられたこととか、大事な切替タイムの邪魔をされたことなどに。。。

 もちろん、翌日以降、いろんな人にしゃべくりたおしました。○○霊園には変な人がいる、と。

 それでも不快感はぬぐえませんでしたが。ともあれ、その日以来、そのコースを避けて帰るようにしました。たとえこちらに危害を加える気配はないとしても、やはり、嫌ですし、正直、こわいです。本人にしたら、「ただ裸で歩いているだけです」という感覚なのかもしれませんが、女性にとっては、見知らぬ裸体の男がすぐそばにいる、それだけで充分な恐怖となるのです。。

 そして、時は流れ……。

 相変わらず、歩いているワタクシですが、つい先日、なぜかふと、ひさしぶりに墓地への道を通って帰ろうかな? という気になりました。いつもよりも早く仕事が終わったせいかもしれません。まだ早い時間だから、大丈夫だろう。そんな気がして、つい、あの墓地への道を通ってしまったのです。。

 墓地にさしかかる時、「まさか、いるわけないよね」と思いながら見渡してみて、裸の人が歩いている気配はなかったので、ほっとしつつ、ちょうど、墓地の中間部にあたる交差点まで来た時、突然、現れたのです!

 裸の男性が、私の横を、もの凄い速さで走り抜けていったのです。

 あまりに急だったので、びっくりしすぎて(裸だったことより、突然現れたことに)、声も出ませんでしたが。。

 なんとなく、の記憶ですけれど、去年会った人と同じような気がします。。

 愕然としながら、墓地の道を通り抜け、家路についたわたくしでございます。。。

 そして、気が付いてしまったのです。

 去年出合ってしまった時は、ひょっとして、可哀相な人なのかな?と思っていました。精神的に追い詰められ、気が付いたら裸になってさまよい歩いていた人なのかと。

 けれど、違うのです。

 (推測ですけど)裸を見せる為に待ち伏せしていたのだ、と。裸の上にコートかなんか着て、すぐ裸を見せられるようにしておいて、格好のターゲット――ひとりで歩いている女性――が現れるのを、物陰か何かからじっと伺っていたのだ、と。

 自分でも分からないうちに裸になってしまって、気が付いたらそのへんをうろついていたというような可哀相な人なんかじゃ全然なくて、見知らぬ女の人に裸を見せて、驚かせることでカイカンを得る人なのです。女性のびっくりする顔を見たり女性の叫び声を聞いて、セイテキコウフンを覚える、ヘンタイヤロウなのです。

 そう考えると、ものすごく口惜しいです。

 そんな人が一年以上ものうのうと、身勝手な満足を得る為に、ワイセツ行為を行っていたと知ったこともそうですが、それよりも、そんな人の思う壺な反応をしてしまった自分、しかも一度ならず二度までも。。また、可哀相がる必要のなさそうな人をかわいそうがっていた自分が、口惜しくてたまりません。。。

 その帰り道は、なんとか復讐する方法はないものかと考えたりしました。。

 あえてまた同じ道を一人で歩いて。。


 生卵ぶつけてやりたい、とか
 墨をぶっかけて、のたうち回らせたい、とか
 トリモチみたいなベタベタなものにからまって身動きできなくなっているところを、勝ち誇った顔で見下ろしてやりたい、とか
 縄でぐるぐる巻きにして、木からさかさまに吊り下げて、見世物にしてやりたい、とか


 ……いろいろ妄想してしまいました。。が、友人に話したところ、

「どれも逆によろこばせそうだから、やめた方がいいんじゃない?」

 と言われました。。そうなんですか。。。

 この口惜しさを晴らす為だけに、警察官になろうかな?とか一瞬考えてしまいましたよ。

 墓地への道を一人で歩いて、バアっと現れたところを、現行犯で逮捕! 。。なんて。。。

 まあ、ともかく、それ以来、再びその道は通らなくなりました。二度と通るまい、と心に決めたのです。

 正直、口惜しいですけど、口惜しさよりも、やはり、恐怖のほうが強いのです。不快感もあります。もしまた出合って嫌な思いをするよりも、確実に出合わないで済む方向を選んだ次第でございます。。

 まあ、考えようによっては、人通りの少ない暗い道を、女性が一人で歩いていたことのほうがおかしかったのかもしれません。

 とある友人からは、「お願いだから歩いて帰るのはやめて」と言われているのですが。。

 きっと、あの裸の人に出合わない限り、ずっと、暗い墓地への道を歩き続けていたことでしょう。。

 もしかすると、レ○プ魔や殺人鬼が潜んでいたかもしれません。もっと危険な目に遭遇しなくて済んだのかもしれない、とでも考えるようにして、明日も、強く生きていきましょうか。。



 ではでは。







 BGM: Hall and Oates -‘Private Eyes’



---

"butterfly effect" ライヴ予定...

■ 2010.12.18(土) @ アルマナックハウス, 市川
  http://www.h4.dion.ne.jp/~almanac/

■ 2011.1.16(日) @ CHAD, 池尻大橋
  http://www16.ocn.ne.jp/~chad/MyPage/menu0.html

2010年12月3日金曜日

Live! Live! Live!

 ライヴの告知をさせていただきます。。



■ 2010.12.11(土) @ カフェフロンティア, 広尾

 "Nijiiro Magic Night Vol.2"

  OPEN: 17:30
  START: 18:00
  \2,500 w/ 1 drink & food
  (当日 \3,000)

  http://www.jica.go.jp/hiroba/cafe/index.html

  地図:
  http://www.google.co.jp/maps/place?cid=5322144463353338235&q=%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7+%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2+%E5%BA%83%E5%B0%BE&fb=1&gl=jp&hq=%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7+%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2&hnear=%E5%BA%83%E5%B0%BE%E9%A7%85%EF%BC%88%E6%9D%B1%E4%BA%AC%EF%BC%89

 アフリカンダンスとベリーダンスのイベントにて、アフリカンの伴奏メンバーとして参加いたします。

 スペースに限りがある為、できるかぎりご予約をお願いいたします、とのことです。

 ご予約希望のかたは私宛てにご連絡お願いいたします。





"butterfly effect" としては...


■ 2010.12.18(土) @ アルマナックハウス, 市川

  START: 7:30

  グリーンチムニーズ / 鈴木準二 / butterfly effect ほか
  http://www.h4.dion.ne.jp/~almanac/


■ 2011.1.16(日) @ CHAD, 池尻大橋

  START: ?

  ホワイト&ぶるー / butterfly effect
  http://www16.ocn.ne.jp/~chad/MyPage/menu0.html



~~~~~

◎ "butterfly effect"(l'effet papillon バタフライ エフェクト)とは?

 西アフリカの民族打楽器 "ジェンベ(ジャンベ、ジンベ)" と "ドゥンドゥン" を奏でるバンドの名称です。

 今のところメンバーは、レディースジェンベ隊(三人)+ ドゥンドゥン&サンバン + ケンケニ&ベル の五名!

 基本的に打楽器のみで演奏します。(歌が入ることも?)



◎ butterfly effect の意味は?

 「カオス力学系において、通常なら無視してしまうような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す。」
 「アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる」――カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす。そしてそれは予測不可能、ということの詩的表現。

 詳細は、Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C

~~~~~



 ライヴざんまいですね。。。

 わたし(たち)にとっては、何回もやっているライヴ、これから先もやるであろうライヴ、ですが、観てくださる人によっては、もしかすると、最初で最後になるかもしれないのですよね。

 これで最後かもしれない、と思いながら、しかと足を踏みしめて、一回一回をだいじに、がんばります。。



 ちなみに、パーカッションをやっている、というと、いろんなかた、それこそ音楽歴○十年の大ベテランのかたから、

「いいね~。パーカッション楽しいよね~」

 と羨ましがられたりします。。

 私からすれば、ギターを自在に弾けることのほうがうらやましいのですが。。

 音楽をやっているかたにとって、パーカッションってなんなのだろう? リズムってなんなのだろう? と考えたりします。

 動物はリズムを持っているのでしょうか?

 事象、現象にもリズムってあるのでしょうか?

 波の音、風の音には、リズムがあるような気がします。。三拍子っぽい感じの。。



 で、わたくしが考える、リズム、とは、とても根源的なもの、根本的なもの、なのですが、それだけで一つの曲を奏でられる、一つの音楽となる、というところが新鮮な驚きで、アフリカンにはまってしまいました。。


 聴いてくださっている皆様には、どんなふうに聴こえるのでしょう?


 ではでは。

2010年11月26日金曜日

What a Wonderful World!

 世の中にはいろんな音楽が溢れていますが。。幸運なことにわたくしが手にすることができた音楽の一部をご紹介してみることにします。



 さて。今年もあと残すところ、1ヶ月とちょっと、になりましたね。

 今年もいろいろな音楽が世に生まれましたが。カバーアルバム、カバーソングが、やったらめったら多かったですねえ。いえ、何年も前からブームなのだなとは思っていましたが。今年は異常とも思えるくらい?

 DJ というものをやっている関係もあって、カバーソングが大好きなわたくし。オリジナルももちろんかけますが、ディープな音楽ファン向けに、めずらしいカバーなんかをかけたりすることがよくあります。
(個人的にはこれを「自慢モノ」と呼んでいます(笑))

 アレンジがぜんぜん違うのだけど、これはこれでかっこいい! というカバーだと最高ですね。

 そんなステキな音を求め、日々CDショップ、中古レコード店巡りをしているワタクシでございます。

 が、そんなワタクシでさえ、さすがにヘキエキいたしました。

 なんとなく、『ネタがなくなったら、とりあえずカバーしとけばいいんじゃない?』的なノリのような気がしてしまうのですよね……。
(そうじゃない人もいるのでしょうけれど)

 新しい曲を書かなくたって、人気のある曲のカバーを出しておけばそこそこ売れるし、という風潮が続くと、新しい音楽を生み出そうという意欲がそがれてしまいますね。

 一般受けするような、似たり寄ったりの歌詞の曲を作って、何曲かヒットして。
 何年か経ったら、ベスト盤を出して。
 ネタが切れたら、カバーアルバム。

 ――というのがフツウになってしまったら、夢も希望もないですね。

 「カバーした元曲の累計売上枚数 2,000万枚!」とか、「シリーズトータル売上が30万枚を突破した、カバーアルバムシリーズの第○弾!」とか。そんなことが知りたいのではない。

 わたしが知りたいのは、“あなた”の、“その”作品がどうであるか、なのですよ。なあんて。

 というわけで、最近、カバーアルバム、カバーソングに対して、以前ほどの熱意がなくなってしまったワタクシが、今年リリースされたもので、良かった、と思ったものを、いくつかご紹介してみることにいたします。





■ Rod Stewart / SOULBOOK(ロッド・ステュワート / ソウルブック)

 1. It's The Same Old Song
 2. My Cherie Amour Featuring Stevie Wonder
 3. You Make Me Feel Brand New Duet with Mary J. Blige
 4. (Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher
 5. Tracks Of My Tears Featuring Smokey Robinson
 6. Let It Be Me Duet with Jennifer Hudson
 7. Rainy Night In Georgia
 8. What Becomes Of The Broken Hearted
 9. Love Train
 10. You've Really Got A Hold On Me
 11. Wonderful World
 12. If You Don't Know Me By Now
 13. Just My Imagination
 14. Never Give You Up
 15. Only The Strong Survive


 "The Great American Songbook" シリーズや "The Great Rock Classics" をリリースしてきたロッドさんが、今度はソウル・クラッシックスをカバー。。正直「またか」と思ったのですが、曲目を見ますと、わたくしの大好きなソウルの名曲たちがずらり。あの曲を、あの声で歌われたら……と想像し、つい、聴いてしまいました。

 はい、良かったです。アレンジも特に奇をてらうことなく、素直に、ノビノビと歌い上げていらっしゃいました。

 やっぱりいいですね。休日に家でかけっぱなしにしたりしていて、邪魔にならず、かといって空気に溶け込み過ぎず。という仕上がりで、個人的には良かったです。人によっては、ちょっと物足りないというかたもいるかも?

 わたくし的ハイライトは、

  8. What Becomes Of The Broken Hearted
  9. Love Train
  10. You've Really Got A Hold On Me

 の流れ。

 M-8 は、涙なしには聴けない名曲でございます。邦題は「恋にしくじったら」。オリジナルは Jimmy Ruffin ですが、Diana Ross & The Supremes がカバーしていたり、Boy George がカバーしていたりしますね。B.G. 版は、彼のけだるく退廃的な雰囲気とマッチしていて、アレンジがだいぶ異なりますが、わたしは好きです。

 10. はご存知、Smokey Robinson & The Miracles の曲で、The Beatles もカバーしていますね。若い John Lennon さんの声に、胸がキュン(笑)となります。

 このような感じで、様々なアーティストがカバーしているスタンダードな曲ばかりなので、原曲や他のアーティストのカバーと聞き比べてみるのも楽しいです。
(M-5 は Bob Dylan が、M-13 は Rolling Stones が……などなど)

 ちなみに、Phil Collins さんも今年、カバーアルバムを出していました。Motown の楽曲のカバー集。こちらも、休日によく聴いていました。休日、のんびりと聴きたいときに心地良いのですよね。

 わたくし、どうも、60年代、70年代のソウルのメロディーが好きなようです。





■ Santana / Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics Of All Time(サンタナ / ギター・ヘヴン:グレイテスト・ギター・クラッシックス)


 1. Whole Lotta Love (featuring Chris Cornell)
 2. Can't You Hear Me Knocking (featuring Scott Weiland)
 3. Sunshine Of Your Love (featuring Rob Thomas)
 4. While My Guitar Gently Weeps (featuring India.Arie & Yo-Yo Ma)
 5. Photograph (featuring Chris Daughtry)
 6. Back In Black (featuring Nas)
 7. Riders On The Storm (featuring Chester Bennington & Ray Manzarek)
 8. Smoke On The Water (featuring Jacoby Shaddix)
 9. Dance The Night Away (featuring Pat Monahan)
 10. Bang A Gong (featuring Gavin Rossdale)
 11. Little Wing (featuring Joe Cocker)
 12. I Ain't Superstitious (featuring Jonny Lang)
 13. フォーチュネイト・サン feat.スコット・スタップ
 14. ラ・グランジ feat.浅井健一


 今年7月、ステージ上にてバンドのドラマーの女性に電撃(笑)プロポーズをした、サンタナさん。新作は、なんと往年のロック・クラッシックスのカバーアルバムでした。

 コッテコテのサンタナさんサウンドになるのかと思いきや、どちらかというとハードロック寄りの仕上がりでございました。featuring のボーカリストの邪魔をすることなく、ちょっぴりラテン・フレイヴァーを加えて。それが個人的には良かったです。特に、M-1 から M-4 の流れが好きでした。

 ちなみに、日本盤のみのボーナストラック M-14 は、ボーカリストに浅井健一さんを迎えております!



 それにしても。ロッドさんといい、フィル・コリンズさんといい、サンタナさんといい、3, 40年前の楽曲のカバー集を出す、というのは、なぜなのだろう? 年齢を重ねた為のノスタルジーなのだろうか? と考えたりします。

 でも、聴いてみて思うのは、もしノスタルジーからだとしても、彼らはその対象の音楽が本当に好きなのだというのが分かるということ、敬意が感じられること、そしてそれが良いこと。

 少年のころ、あるいは、青年のころ、胸躍らせ、夢中になって聴いていたであろう、自分の原点に返るという感じでしょうか。

 彼らの原点回帰を聴き、原点を聴き、彼らの作品を聴く――という、いい具合のループとなるのが良いです。

 John Lennon さんの『Rock'n Roll』のように。と言うと、大袈裟でしょうか?





 その他、「むむむ?」と思う曲もあるものの、総体的に良かったものとしては……


■ UA / KABA

 1 モンスター
 2 夜空の誓い duet with 甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)
 3 きっと言える
 4 セーラー服と機関銃
 5 Day Dreaming
 6 Under The Bridge
 7 Paper Bag
 8 わたしの赤ちゃん
 9 Hyperballad
 10 Love Theme From Spartacus
 11 No Surprises
 12 妖怪にご用心
 13 tiru-ru-shi


 3曲目が好きでした。



■ Chitose Hajime / Occident

 1. TRUE COLORS
 2. OB-LA-DI,OB-LA-DA
 3. WILL YOU BE READY
 4. 慕情 Love is a many-splendored thing
 5. Birthday
 6. Siuil A Run
 7. HUMAN BEHAVIOUR
 8. Home Again
 9. IT’S SO EASY
 10. Perfect
 11. BLUE
 12. HAPPINESS IS A WARM GUN


 元ちとせの洋楽カバーアルバム。邦楽カバー集も同時発売でした。

 元ちとせさんは、インディーズでもカバーミニアルバムを出していましたね。



■ ハナレグミ / あいのわ

 5. PEOPLE GET READY


 Curtis Mayfield 率いる The Impressions の名曲を日本語でカバー。



 3組とも共通するのは、声とか、声の響きとか、言葉の発し方とか、が好きなところですね。あと、アレンジがシンプルなところ。それから、選曲のセンス。

 そう、カバーの選曲って、センスが問われると思いません?



 ではでは。







 ‘そこにあるものをプレイするな。そこにないものをプレイしろ’
                     ―― Miles Davis


 BGM: Buffalo Springfield -‘For What It's Worth’
(バッファロー・スプリングフィールドの楽曲。
 ニコラス・ケイジ主演の映画『ロード・オブ・ウォー』で効果的に使われていましたね)

2010年11月19日金曜日

Scary Monsters #2

 【前回のあらすじ】:まったく心当たりのないことで、警察を名乗る見知らぬ人が自宅マンションを訪ねてきました。置いて行った名刺には奇妙な点も幾つか。真相はいかに……?(フィクションではありません)



 ◎未読のかた、よろしければこちらをお先にどうぞ!

 ■ 2010/10/29 「Scary Monsters」
  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1611544281&owner_id=32357395



 時間が経ってしまいましたが。。名刺の電話番号に連絡してみました。いくつかの謎は解けました。オチとしては、あまり大したことはないです。もし、お時間あればご一読くださいませ。。


~~~


 名刺の人に、連絡しなくては、と思いつつ。仕事がわさわさしていたので、うっかり忘れてしまい……、幾日かが過ぎました。

 いつものように、会社へ行く為に家を出ようとしたところ、またもやマンションの管理人さんが手招きをします。

「あっ」(思い出す私)

 管理人さん曰く、「先日の警察の人がまた来たんですよ」。その表情に特に不審な点はありません。

 私は、うろたえつつも、なんとか「そうでしたか」とだけ応えました。

 管理人さんは、

「なんだか連絡が取りたいみたいだから、一度連絡してあげてみてください」とおっしゃいます。

「そうですね、そうしてみます……」と応え、そそくさとマンションを後にしました。

 まずいです。こんなに頻繁に警察のかたに来られては。管理人さんに怪しまれてしまいます。

 もはや連絡するしかありません。

 ……ということで、意を決して、名刺に書かれていた電話番号に電話をかけてみました。先日の日記コメントに、名刺の番号に直接でなく……とアドバイスいただいていましたが、ええい、思い切って名刺の番号にかけちゃえ! と。。臆病なくせに大胆なわたくしでございます。。(大胆な臆病者w)

 さて、電話は名刺に書かれていた通りの警察署に繋がりました。良かったです。ぜんぜん違うところでなくて。

 最初、女性が出たので、名刺に書かれている部署名と男性の名を告げ、代わっていただきました。良かったです。「そんな人いません」と言われなくて。

 そして、電話に出た男性、声の感じからすると、40代から50代くらいのまじめそうな感じのかたでした。良かったです。想像の通りで。ぜんぜん違う感じの人が出たらどうしようかと思いました。

 ……と、いちいちビクビクしているわたくしです。。

 名乗ると、

「ああ、○○さん(私の姓)」と、電話を待っていた様子でした。そして、こう言います。「○○さん、◎月×日ころ、△△駅付近でネックレスを失くしてませんか?」

 まったく心当たりがありません。「いいえ」と応えると、

「そうですか……」と、ちょっと残念なような、予想通りというような、どちらとも取れる事務的な反応でした。そして、もう一度、「本当に失くしてませんか?」と訊くので、

「いいえ。失くしてません」ともう一度応えました。

 すると、「分かりました。わざわざご連絡ありがとうございました」と言って、電話を切ろうとするではありませんか。

 ちょっと待ってください!

 この数日間、恐怖のズンドコ、と言っては大袈裟ですが、一体何のことだろうと思い悩んだわたくし(そのくせ忘れてましたがw)、その原因を招いておいて、経緯などについて一切説明もなく、自分の中でだけ勝手に納得して電話を切ろうとするなんて。

 わたくし、あわてて言いました。

「あの~、ちょっと分からないのですが、何かの事件でしょうか? 何度も自宅にまで訪ねていらっしゃるくらいなので、そちらには重要なことかと思うのですけど、わたしにはまったく意味が分かりませんが……。あと、なぜ、わたしがネックレスを落としたかもしれないと思われたのでしょう?」

 言い方は丁寧(にしたつもりw)ですが、結構きっぱり言いました。すると、

「ああ、すみません」と一言謝罪があり、説明をしてくださいました。

 曰く……

 △△駅構内で、窃盗事件がありました。犯人は捕まえました。でも、持ち主が分かりません。

 その日、△△駅付近にいたと思われる女性に連絡を取っているとのこと。

 はい、わたくし、確かにその日(三ヶ月くらい前)、△△駅付近におりました……。

 なぜ、私がその日△△駅付近にいたのが分かったかというと、「この日、△△駅の駅ビルでクレジットカードで買い物しましたよね?」とのこと……。ええ、確かに、友人と食事をして、その支払いをカードでしました……。ワインを大量に飲んでしまって、お会計が結構いってしまったので……。

 どうやら、その日の近辺デパートや店舗でのクレジットカード利用履歴から、一人ずつ当たっているところだった模様でございます。でも、うちにまで来ちゃうなんて、ねえ……。よほど高価なネックレスなのでしょうか……。っていうか、事件解決のノルマなどがあって、必死なのですかねえ?



 というわけで。大したことなくて良かったです。もっとも、自分がいつ、何処で、何をしていたか、というのが簡単に分かってしまうものなのだ、という別のこわさを知りましたが。。悪いことはできないですね。

 Suica や Pasmo(車に乗るなら ETC も??)、クレジットカードやおサイフケータイなどの電子マネー、携帯電話(の発信履歴)等々、便利なモノたちですが、自分の行動履歴をばらまく行為にもなっているのかな? と思ったりしました。まあ、知られて困るようなことはしてないつもりですが。。。便利さと引き換えにしていることもあるのかな? と考える、今日このごろでございます。



 ではでは。







 BGM: Elvis Presley -‘Suspicious Minds’
  (Elvis 33年振りの“ニュー・アルバム”より)

2010年11月12日金曜日

Performance in ALMANAC HOUSE 101106

 先日、11/6(土)、ライヴハウス“ALMANAC HOUSE(アルマナック・ハウス)”さん主催のイベント、“Performance in ALMANAC HOUSE”で、butterfly effect として演奏をさせていただきました!


~~~


◎ "butterfly effect"(l'effet papillon バタフライ エフェクト)とは?

 西アフリカの民族打楽器 "ジェンベ(ジャンベ、ジンベ)" と "ドゥンドゥン" を奏でるバンドの名称です。

 今のところメンバーは、レディースジェンベ隊(3人)+ ドゥンドゥン(大太鼓)& サンバン(中太鼓) + ケンケニ(小太鼓)& ベル の5名!

 基本的に打楽器のみで演奏します。(歌が入ることも?)



◎ butterfly effect の意味は?

 「カオス力学系において、通常なら無視してしまうような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す。」
 「アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる」――カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす。そしてそれは予測不可能、ということの詩的表現。

 詳細は、Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C


~~~


 場所は、JR小岩駅から徒歩10分ちょっとの『小岩アーバンプラザ』にて。

 大ホールでの約6時間のアツいイベントでした!

 butterfly effect としては初の大舞台。。(というか、ライヴ自体がこれで3.5回目。。「0.5」は何かというのはあまり追及しないでくださいませ。。) ですが、音響や照明、ヴィジュアル効果(ステージのバックにイメージ動画が流れています~)等々もすばらしく、楽しく演奏させていただきました!

 なんとはなしに始めたバンド。一回こっきりで終わるかな? と思いきや、まさかあんな大きな舞台に立てるとは。。何が起こるかわかりませんね。まさに、バタフライ効果。

 もしかすると、自分たちが思っている以上の、または、思ってもみないような、さまざま現象が湧き起こっている(あるいは湧き起ころうとしている)のかもしれない、とか考えたります。。自分で名づけておきながら、少し、こわくも、あります。。。

 けれども、そんなことはおかまいなしに、日々は流れていきます。

 次回のライヴは、まだ決まっていません。来年頭にはやりたいなあ~、年末にもどこかでやれたらなあ~なんて、思っています。決まったら、また告知させていただきますね。

 ちなみに、butterfly effect としてではありませんが、わたくし、12/11(土)、広尾のカフェで太鼓を叩きます!
(アフリカンダンス & ベリーダンスを披露するイベントで、アフリカンの伴奏メンバーとして参加)

 ご興味あるかた、よろしければ。





 先日のライヴの映像や感想を、以下にまとめてみました!

 ■MySpace:
  http://www.myspace.com/bluescat7

  わたくしの個人的な MySpace サイト。
  ライヴの動画が観れます。


 ■マイスタースズキさんの動画:
  http://video.mixi.jp/view_video.pl?video_id=10015826&owner_id=1006747

  “ALMANAC HOUSE”店主マイスタースズキ様が mixi 内にアップしてくださった動画です。
  上記は予告編というか、ダイジェスト版です。今後、本編も続々アップされていくそうで、非常にたのしみです!
  ちなみに、メンバーの一人の最高のダンスがご覧いただけます!
  (わたくしのどアップもちらっと映りますが。。)


 ■モモタロさんの日記:
  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1618758916&owner_id=4611180

  メンバーのモモタロちゃんの日記。
  “ジェンベ・ガールズ”の一人です。
  友人の友人まで限定公開。
  ライヴの動画観れます。


 ■さかまきさんの日記:
  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1618423617&owner_id=302044

  ドゥンドゥン(大太鼓)& サンバン(中太鼓)担当のさかまきさんの日記です。


 ■トムっちさんの日記:
  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1617924077&owner_id=15203780

  ライヴを観に来てくださったマイミクさんトムっちさまが、ライヴの感想を日記に書いてくださいました><





 イベントに関わる皆様、観に来てくださったかた、観に来てくれたけど観れなかった(泣)かた、観てくださったかた、本当にありがとうございました!



 ではでは。また、どこかの performance で。







 ‘It's life's illusions I recall
  I really don't know life at all’
     ―― Joni Mitchell “Both Sides Now”


 ‘Images of broken light which dance before me like a million eyes,
  They call me on and on across the universe’
               ―― The Beatles “Across the Universe”

2010年10月29日金曜日

Scary Monsters

 先日、奇妙な思いをしました。怖くもありました。

 朝、家を出る時、マンションのロビーで管理人さんと会いました。いつもでしたら、「おはようございます」「いってらっしゃい」なんて挨拶を交わすのみ、なのですけれど、管理人さんがなぜか手招きをします。

「○○(私の姓)さん、ちょっと」

 一体なんでしょう? 夜中に音楽かけていてうるさい、とか、なにか怒られるのでは。。と、妙にドキドキしてしまいます。うしろめたいことをしているのがいけませんね。

 聞けば、

「今朝、ケイサツの人が来てね、○○(私)さんと連絡が取りたいと言うんですよ」

 けケイサツ?! わたくし、誓ってケイサツ沙汰になるようなことはしていません! そりゃ、前の晩、酔っ払ってお取引先のかたに絡んだりはしましたが。。手は出していないはず!(当然)

「で、名刺を渡してくれって、置いて行ったんですよ」

 管理人さんが小さな紙片――名刺を出しました。裏には手書きの文字が書いてありました。



  「ネックレスの遺失はありませんか?」
   △△ケイサツ ××課□□□本部
   03-****-****
   内線 ****



 管理人さん曰く、「名刺の表には、◎◎ケイサツって書いてあるけど、今は△△ケイサツに籍があるので、そちらに連絡くださいとのことでしたよ」

 まったくなんのことか分かりません。言葉を失っていると、管理人さんは、

「まあ、何か大事件ということではなさそうだけど、連絡してみてください」

 と。私は、

「えっと、まったく心当たりがないのですけど……。そうですね、一応、連絡してみます」

 とだけ言って、そそくさと表へ出ました。管理人さんに怪しまれているかなあ、などと考えながら。

 昼休み、会社の人たちに早速そのことを話しました。すると、皆さん、好き勝手なことを言います。

「名刺見せて」

「うわ、なんか、紙がぺらっぺらじゃないですか」

「しかも、紙のはじっこがギザギザになってて、手作りっぽいっすね。偽物じゃないすか?」

 ギザギザというのは、ミシン目から切り離したっぽくなっているという意味です。

「でもさ、ちゃんとケイサツのマスコット(なに君っていうんでしょうね)も載ってるし」

「そんなもの、ネットでいくらでも拾ってこれるじゃん」

「住所も電話番号も載ってるけど?」

「そんなのもネットですぐ調べられるじゃん」

「ケイサツのホームページのURL(アドレス)が全角英字なのが、逆に本物っぽくない?」

「でも、なんで手作り風の名刺なんだろう?」

「経費削減なのかな」

「名刺は自前で用意しなきゃいけないんじゃない?」

「大変だな」

「まあ、名刺を置いていくくらいだから、本物なんじゃない?」

「でもさ、名刺の表と裏で違う署なのはあやしいよ」



 ……と、皆さん、いろいろなことを言ってくれます。

 わたしは自分の疑問点を挙げました。「まず、おかしな点が二つあります」と。

「一つ目。ネックレス。名前や住所が書いてあるわけでもないものの落とし主の候補に、なぜわたしが挙がるのか?」

「二つ目。ここ二ヶ月以上、△△(そのケイサツ署のある地域)には行っていない」


 自分で言っていて、こわくなりました。私は一体、何に巻き込まれているのだろう? どんなことが起こっているのだろう? と。


「たとえばさ、○○(私)さん家に泥棒に入って、ネックレスを持って行っちゃったんだけど、△△(そのケイサツ署のある地域)で別の家に泥棒に入った時に捕まって、『そういえば、どこそこにも泥棒に入りました』って自白したとかなんじゃない? それでケイサツが調べてるとか」

 泥棒に入られて気がつかないって。。何か盗られて気がつかないって。。

 まあ、確かに、玄関の鍵をよくかけわすれます。ネックレスはいくつか持っていますが、いちいち数えてないので、なくなっても気がつきません。……ていうか、ネックレス以外に盗るものがないのでしょうか。。

「それにしても、わざわざケイサツが捜査してるってことは相当高価なネックレスってことだよね?」

 高価なネックレス、いわゆる、“本物”のジュエリー ―― genuine jewelry ということですよね、ティファニーとかブルガリというような――というものをわたくしは持っておりません。。はい、持っているわけがありません。

 会社の男の子で、やけにいろんなことに詳しい人に聞いてみたところ、

「ケイサツは、まず名刺は置いていかないですね。普通、盗難とかの場合は、ここに連絡してくださいって紙を渡しますよ」

 どうしてそんなこと知ってるの? と尋ねると、泥棒に入られたことがあるからです、とのことでした。


 でも、とりあえず。。泥棒には入られていないと思います。。。というか、入られていたとしても盗られて困るようなものは。。。ないはず。。。。


「ネックレスで釣ろうとしてるストーカーとか?」

「なにか新手の悪徳商法なんじゃない? 高級そうなネックレスを目の前に出して『このネックレス、落としましたよね?』って聞いて、『そうですそうですあたしのです』なんて言っちゃったら、『拾得物に対する報労金一割ください』とか。で、ものすごい金額をふっかけてくるとか?」

「じゃあ、なんでわざわざケイサツの名を騙るんだろう?」

「……」

「ていうか、なんでネックレスなんだろう?」

「呪いのネックレスなんじゃない? それを首にかけると一週間以内に……」(貞子か!)

「それか、何かの事件現場にそのネックレスが落ちていて、持ち主を探してるとか?」(火曜サスペンス劇場ですか!)

「……」

 帰宅後、友人にも相談しましたが、やはり似たような意見。泥棒に入られた説が有力では?と。。こ、こわいです!





 整理すると、

 【奇妙な点】

 1. 手作り風の名刺
 
 2. 名刺の表のケイサツ署名、電話番号等と、名刺の裏に手書きされたそれらが違う(異動になったとのことだが?)

 3. 氏名・住所が書いてあるわけでもないものの持ち主の候補に、なぜ私が挙がるのか

 4. 名刺の表・裏どちらの地域にもしばらく(二ヶ月くらい)行っていない。

 5. ケイサツが捜査しているらしいネックレスとは? どれほど高価なものなのか? 事件性があるのか?

 6. ちなみに、事件に巻き込まれるようなところに行ったりしていない(本当です!)





 さて。どうしましょう。こわくて、連絡できません。。







 BGM: Duffy -‘I'm Scared’

2010年10月22日金曜日

Force and Resistance

 先日、10/17(日)、渋谷のクラブイベントにて、バンド仲間とパーカッションのライヴを行いました。

 イベント自体も、ライヴも、あまりにも楽しすぎて、ついハシャギすぎてしまい、翌々日筋肉痛になってしまいました。。

 ちなみに、筋肉痛になるのが遅い=運動不足 or 加齢の為、的なことが良く言われますが、Wikipedia によると、あまり関係ないらしい? です。(そういうことにしておいてください!)

 ともあれ。音楽の力ってすごいですね。

 音楽とダンス、お酒であふれていたあの空間。あの場にいて、楽しんでいない人なんて誰ひとりいなかったんじゃないか、というくらい、アットホームな雰囲気に包まれていました。

 あまりにも満足すぎて、イベント終了後、帰宅し、すぐに寝てしまいました。。

 以前、甲本ヒロトさんがおっしゃられていましたねえ。

「ライヴの後に打ち上げはしますか?」と問われて、

「ライヴはパーティーだ。パーティーの後にパーティーはしない」

 と。

 かっこいいですね。。

 わたくし(たち)、そんなかっこいいものでもありませんが、まさにその通り、という感じです。

 パーティーの後にパーティーはいらない。なんて。

 すてきなパーティーに参加できたこと、また、見に来てくださったかたに心より感謝申し上げます。


~~~


 が。。わたくし、失敗してしまいました。。演奏もですが、それ以前に。。

 興覚めですみません。。

 何か、と言いますと、リハーサル時、ハリキリすぎて、思いっきり太鼓さんを叩いてしまい、手を痛めてしまったのです。。

 本番でさらにムキになってしまい、大変なことになってしまいました。

 添付の写真をご覧ください。。ひどいものです。。本当に何をやっているんでしょうか。。。

 (あ、ちなみに、写真は翌日に撮ったものです。今は大分良くなりました)

 楽器というのは正直ですね。

 大きな音を出そうと、力任せに演奏すれば、それが自分に返ってくるようです。無理強いを迫れば迫るほど、拒絶され、反抗され、自分の意思とは違った音で返されるものなのかもしれません。

 楽器と対話して、どうすればいい音が出るのか、どうすれば自分の思うような音が出るのかを探っていくのがいいんですかね。

 歌も、そうですよね。無理をしていきなりガナリ声を出せば、喉を痛めてしまいます。自分の身体に聴きながらうたうのが良いような気がします。



 ちなみに、友人でコーヒーを淹れるのが上手な人がいますが、豆に話しかけるそうです。「おいしくなあれ」と。そういいながら淹れると本当においしくなるんですって。でも、みなさまは真似しない方がよろしいでしょう。心の中で、そっと語りかけるくらいで。

 料理ってそういうところがありますね。怒りながら作った料理は、なんとなくおいしくなさそうな気がします。大根おろしをする時、怒りながらすると辛くなる……という説がありますが、本当だそうですよ。怒っているときにすると、すり方が荒くなる為に辛味成分が出やすくなるとか。ゆっくり、丁寧にすると辛味成分が出にくく、まろやかな味になるそうです。というわけで、辛いのが好きな方は、怒りながらすってみてください(笑)。



 人間関係もそうですかねえ。無理を押し付ければ、軋轢が生まれ、ギクシャクしてしまいます。

 あなたは、パートナーや友人、家族に、なにか無理強いしていないですか? 無理を迫れば、思わぬしっぺ返しが待っているかもしれません。

 猫などは分かりやすですね。嫌がっているのを無理に抱こうとすると、噛みつかれますから。

 え? そういうわたくしですか? ――はい、気をつけたいと思います。










“リハーサル? マラソンにリハーサルはないよ。常にトレーニングはするけれど”――とあるマラソンランナー


 BGM: Muse -‘Resistance’

2010年10月8日金曜日

YOU MAY DO YA #1

- Ten Nights of Dream #1 -



 こんな夢を見た。

 住まいのすぐ裏の公園──囲町公園という──で、その道では名の知られているらしいパーカッショニストが演奏しているという。それほどの人物が何故うちの裏の公園などで演奏しているのか、理由は定かではない、が、ともあれ折角(せっかく)なので観に行ってみることにした。

 着いた時には既に物見高い見物客が溢れており、太鼓の音が人々の頭上を超え空高く響き渡っていた。

 どれ、どんな人物かと人垣の間から覗いてみると、濃いサングラスをかけた小柄なアフリカ系の男性が心持ち顎(あご)先を突き出して空(くう)を見上げながらバチを操っているではないか。

 躍動的なリズムから感じられる印象では、もっと大柄で野性的な人物かと思いきや、まるで木のように静かな印象を与える人物だったので肩透かしを喰らったような体(てい)。しかしながら、肩から先だけが別の生き物――魔術にかかった大蛇かなにか――のように思え、それが凄みをさえも感じさせるのであった。

 異国の人は、打面には一切目も向けず、顎(あご)を上げたまま、ただ只管(ひたすら)無造作に音を繰り出し続けていた。

 目が見えないのだろう、と思い、隣りにいた男に「盲人かね」と尋ねると、「おやそうかい」と返ってきた。「盲人だとも」とさらに私が返すと、「なしてそう思う?」と言う。私は「そう思うからだ」とだけ答え、その男から離れ、異国の人が繰り出す音に耳を傾けた。

 音は一向に鳴り止まなかった。異国の人は、見物人には一向頓着もせず、休みなくバチを操り続けていた。

「もう二時間になるぜ」隣りにいたアヴェクの男の方が言った。

「うん」女が返した。「すごいね」

 何がだいと私が尋ねると、彼らがやって来た二時間前からずっと、ただの一片(いっぺん)の休みもなく叩き続けていると言う。

「ほう、そうかね」

「そうだとも。彼奴、人間じゃない」男は信じられないといった面持ちで言った。「何がすごいって、彼奴、譜面も何も見てないんだぜ」

「ほう、そうかい」

「譜面も見ずに、二時間通して、一瞬の逡巡(しゅんじゅん)もなく、僅(わず)かな淀みもなくああやって演奏できるものかね。適当に叩いているように見えて、あれで狂いもなく正確に叩いているんだぜ」

 言われてみると尤(もっと)もだと思い、異国の人の方へ再び目を向けた。

「確かに、そうだねえ」と言いかけると、アヴェクの隣りにいた別の男が、

「なに、そんなに大したことじゃないさ」と言い出した。

「何が大したことねえってんだい」アヴェクの男がもの凄い剣幕で捲(まく)し立てた。

「いやね、あれは、太鼓を演奏しているんじゃねえんでさ」

 我々は顔を見合わせた。

「身体の中にね、リズムが流れていて、そいつを腕から放出しているだけなんでさ」そう言って男はにやりと笑った。「まるで泉みたいにね、リズムが後から後から湧き出てくるもんで、そいつをひょいっと放り出しているだけだから、間違えたり躓(つまづ)いたりすることなんかねえんでさ」

 我々はなんと返答して良いのかも分からず、ただ黙っていた。

「そもそも泉には『正しい』韻律なんてものはないから、『間違い』なんてものもねえんでさ」

 成程(なるほど)、太鼓を叩くというのはそんなものなのか。自分の好きな様に叩けば良いのかと思い始めたら、自分でも何か叩けるような気がして居ても立ってもいられなくなり、その男とアヴェクを後にし、そそくさとその場を立ち去った。

 薬師通りの古道具屋に古びた太鼓が置いてあったのを思い出し、早速出向いて三円二十銭のところを三円に値切って買い求め、裏山へ出向き、太鼓を叩き始めた。

 最初のうちは調子が良かった。自分の好きなように、自分の思うままに叩けばいいのだから、好き勝手に叩いてみる、のであるが、どうも、具合が良くなかった。

 あの異国の人物のようなリズムは到底鳴り出しえないのである。

 何度も、何度も、何度も、何度も、試してみるのであるが、ついに私は、せめて自分自身が快いような、小気味良いような、リズムを刻むことはできず、ただ、茫然とするばかりなのであった。

 そうして、どうやら私の身体にはリズムは流れていないのだと悟った。私の身体の泉には湧き上がるリズムの水は宿っていないのだ、いや、そもそも私の身体には泉すらないのではないか、と。



 そして、盲目のアフリカ人男性が此処(ここ)にいる理由もなんとなく分かったのであった。

2010年10月1日金曜日

I'm Your Vehicle, Baby

 はずかしながら。

 わたくしが、作詞・作曲をした歌が、この世に存在していたりします。

 存在しているだけです、流通はしていません。

 そんなこと言ったら、おれにだって、わたしにだってと仰るかたがいるでしょうか?

 一応、my song は、自分以外にその存在を知っている人がいちゃったりします。

 そういう意味で、この世に “存在して” います。“認識されて” いる、と言い換えてもいいかもしれません。

 なんとなく、こはずかしいものですね。いわゆる『真夜中に書いた手紙』でも読まれているようで...。

 存在するって、こっぱずかしいものなのでしょうか。認識されるって...。生きるって...。(以下略)



 さて、先日、友人のライヴを観賞しに行きました。その友人のライヴを観るのは、かなり、ひさしぶりでした。

 なんとなく、なんにも言わないでいきなりライヴを観に訪ねて行って驚かせてみようと思ったのですが。

 わたしのほうが逆に驚かされました。

 その、わたしが作った歌をいきなりうたいはじめたからです。

 最初は、なんの曲か分かりませんでした。なぜなら、旋律が違っていたからです。

 けれど、詞は、わたしが書いた(存在させた・認識させた)そのままの、一字一句変わらないものでした。

 人は、予測もできないことが起こると言葉を失うものなのでしょうか。

 それまでノリノリでライヴを観ていたわたくしでしたが、思わず顔をそむけ、黙り込んでしまいました。

 で、そのまま何事もなく、次の曲へ行ってくれれば良いのに。友人ときたら、その歌の成り立ちを説明しはじめてしまいました。

「さっきの曲は、今そこにいる○○○○(私の名前)さんが書いた曲……の詞だけを頂戴して、勝手におれなりのメロディーをつけました。べつに○○さんの曲がだめってことじゃないんだけど。自分でうたう歌は、自分のメロディーでうたいたかったのでそうしました」

 とかなんとか。

 いやあ、あせりますね。なんの予告もなく、心の準備もなく、自分の隠された過去を暴かれたようで、ひさしぶりに冷や汗をかきました。しかも、びっくりさせようと思った相手に100倍にして返されたようで。やられたという気持ちでいっぱいでございます...。

 ところで、一緒にそのライヴを観に行っていた女性の友人から、

「勝手に曲を変えられたりして。いいの?」

 と聞かれました。

 ふむ。たしかに、ちょっと考えると、失礼な...ということなのですかね?

 でも、なんとも思いませんでした、いえ、むしろうれしく思いました。

 よく、メロディーだけもらって、詞は自分のオリジナルでうたう、というのは聞いたことがあるような気がします。が、その逆、というのは、めずらしいような気がします。

 曲じゃなくて、詞なんだ、というのが意外でもあり、また、だからこそうれしかったのかもしれません。

 わたくしの場合、特にその歌に関しては、一番伝えたいところは、詞です。その詞をうたいたいが為に曲をつけました。ええ、若かりしころ。ああ、はずかし。

 ですから、その歌に関しては、詞を伝える為に、メロディーが、あります。

 もし、詞が大切な荷物だとしたら、メロディーは、それを載せて運ぶ乗り物のようなものなのです。

(で、歌い手は、その乗り物を運転する運転手?)

 まあ、ですから、乗り物がなんであろうと、わたしの伝えたかったこと(=詞)が運ばれてゆけば、それで十分だ、と思うのです。

 伝達方法は違えども、詞は、運ばれてゆくのです。

 そして、日々は続いてゆくのです。

 そんな、秋晴れのある日の出来事でございました。





 # ほんとはね、詞と旋律とが一体となった、もう、それ以外の組み合わせも、それ以上の組み合わせも考えられない楽曲...というのが理想形なんでしょうか?




 ではでは。

2010年9月24日金曜日

-2°C

 先日、9/21(月)、高円寺ペンギンハウスにて、知人?、友人?の西山正規のライヴを観ました。パーカッションのかたとの二人編成で、タイトでソリッドな演奏を聴かせてくれました。
(『タイトでソリッドな』w なんだか、ヘタな音楽評論家みたいな表現ですね)

 無駄のない演奏、ほどよい緊迫感がある、というような意味なんですけど。

 そんな演奏と、笑っちゃうような MC とのギャップが緩急をつけてくれて。

 ほとばしる汗と唾液に(?!)まみれながら、あっという間にライヴは終わりました。

 空気があたたかくほぐれたところで、続く対バンのかたがたの演奏もとても楽しく、和やかな雰囲気で、踊り出す人も続出でした。はい、もちろん、わたくしも踊ってしまいました。

 ロックで踊れるってサイコー! シアワセー!! と心から感じる瞬間でございました。

 ライヴに出演されていた皆さん、そして、踊りに興じていた皆さんに共通して感じるのは、ほんとうに、音楽が、ロックが、大好きなんだなということです。

 音楽を愛する。――音楽が嫌いな人なんていない? そうかもしれません。けれど、それを表現できる人というのは、もしかすると、限られているのかもしれません。


~~~


 ロックを愛する表現者、といえば。約二年半前、忌野清志郎さんのライヴを観ました。癌で他界される前の復活ライヴです。ここでそのライヴについて語ると長くなるので。。あえて語りませんが。。

 「バンドに帰って来られて、なによりもうれしい!」

 そう語る姿に心を打たれました。涙が、止まりませんでした。

 (いまにして思えば)いのちを削るようなパフォーマンスだったのかもしれません。それでも音楽を、ロックを、彼を愛するファンの為に、そしてじぶんの為にステージに立つ。

 そんなライヴを体験できたというのは、きっと音楽が巡り合わせてくれたのかな。。なんて思ったりします。ロックが好きで本当に良かった、と思った次第です。


~~~


 さて。いのちを削る、といえば。

 ニホンミツバチの天敵撃退法の話を知っていますか?

 ニホンミツバチは、天敵であるスズメバチが襲ってくると、まず集団でスズメバチを取り囲むそうです。取り囲まれたスズメバチの周囲の温度はやがて46°C以上にまで達するとか。スズメバチの致死温度は約48°C。ニホンミツバチの致死温度は約50°C。このわずかな温度差を利用して、天敵を熱殺してしまうのです。

 ギリギリの、いのちを削る攻撃。わずか 2°Cにかける闘い。


~~~


 わたくし、さいきん、みずから楽器を奏でて演奏するようになりましたが。限界点 -2°C、とまではいかなくても(ちょいとオーバーですねw)、アツーい演奏ができるようになるといいなあ、と思う。秋の夜長でございました。

2010年9月17日金曜日

[revue] Barking for Synchronicities All Around the World

 世の中にはいろんな音楽が溢れていますが。。幸運なことにわたくしが手にすることができた音楽の一部をご紹介してみることにします。

  ■Red Hot Chili Peppers / Around The World(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / アラウンド・ザ・ワールド)
  ■Underworld / Barking(アンダーワールド / バーキング)
  ■Sting / Symphonicities(スティング / シンフォニシティーズ)


~~~


■Red Hot Chili Peppers / Around The World(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / アラウンド・ザ・ワールド)

 9月4日(土)に公開された映画『BECK』のオープニング・テーマ「Around The World」を含む編集盤です。映画公開記念ということですかね。

 曲目は以下です。

  1. アラウンド・ザ・ワールド
  2. パラレル・ユニヴァース(アルバム未収録ヴァージョン)
  3. テアトロ・ジャム(アルバム未収録曲)
  4. ミー・アンド・マイ・フレンズ(ライヴ・ヴァージョン)


 「Around The World」は、1999年発表のアルバム『Californication(カリフォルニケイション、カリフォルニケーション)』のトップを飾る楽曲。イントロのベースの不穏な響きから一転して畳みかけるようなギターが鳴り渡り、ボーカリスト、アンソニー・キーディスの雄叫びで幕が開け、ノリノリの“レッチリ”ワールドが炸裂いたします。。

 歌詞は、お下劣というかお馬鹿というか。。語呂合わせ、言葉遊びを楽しみながら、世界中を旅している気分にさせてくれます。

 ラップ調のAメロ(っていうんですかね?)とは打って変わり、サビのメロディは美しく。ロベルト・ベニーニ主演の映画『ライフ・イズ・ビューティフル』にインスピレイションを得たとのことで、

  I know, I know for sure
  That life is beautiful around the world

 と、人生の美しさを語ります。

 2曲目以降は、マニア向けといいますか、コレクターズアイテムといいますか。。もし、映画を観て RHCP を知った初心者のかたでしたら、アルバムか、映画のサウンドトラック盤を購入することをおすすめいたします。

 サントラには、OASIS, Rage Against The Machine, The Offspring, The Clash, The Black Crowes, Travis, Manic Street Preachers, Lauryn Hill, Bob Dylan, Fiona Apple, Jimi Hendrix, Janis Joplin, Jeff Buckley ... などの楽曲が収録され、洋楽ロックファンのかたにはたまらない内容となっていることでしょう!





■Underworld / Barking(アンダーワールド / バーキング)

  1. Bird 1
  2. Always Loved A Film
  3. Scribble
  4. Hamburg Hotel
  5. Grace
  6. Between Stars
  7. Diamond Jigsaw
  8. Moon In Water
  9. Louisiana


 9月2日に日本で先行リリースされた Underworld の三年ぶりの新作です。初の試みとして、High Contrast や Mark Knight & D.Ramirez などのコラボレイターとの共同作業をもとに制作されたとか。

 ボーカルを中心とした楽曲が多く、想像していたよりもあっさりめの仕上がりですが。。2曲目、3曲目などは、純粋なポップス、キャッチーな歌ものとして聴きやすいという印象。

 Underworld 特有の、徐々に高揚していく感があまりないものの、爆音で聴くと気持ちがいいことは間違いないです。





■Sting / Symphonicities(スティング / シンフォニシティーズ)

 タイトルはもちろん、The Police の名盤『Synchronicities(シンクロニシティーズ)』のもじりでしょう。

 スティングの新作は、英国の名門オーケストラ“ロイヤル・フィルハーモニック・コンサート・オーケストラ”の演奏をバックに The Police 時代の楽曲、ソロ楽曲を録音し直したという異色作です。

  1. Next To You
  2. Englishman In New York
  3. Every Little Thing She Does Is Magic
  4. I Hung My Head
  5. You Will Be My Ain True Love
  6. Roxanne
  7. When We Dance
  8. The End Of The Game
  9. I Burn For You
  10. We Work The Black Seam
  11. She's Too Good For Me
  12. The Pirate's Bride
  13. Straight To My Heart
  14. Why Should I Cry For You
  15. Whenever I Say Your Name


 1曲目「Next To You」は、流麗なストリングスにゴスペル調の分厚いコーラスが絡み、その合間をかいくぐるように、Sting の力強い歌唱が疾走していきます。

 優雅さの中に荒々しさが、荒々しさの中に優雅さがあり、それがはっとするほど美しいのです。

 「ひさびさの当たりか?!」と盛り上がったのですが。。

 それ以降は、(個人的に)失速気味の楽曲が続きます。2曲目「Englishman In New York」などは、これからの落ち葉の季節に似合いそうな哀愁漂う雰囲気が素敵です、が。。

 いい曲なんですけどね。いい曲がフツウにいい曲で終わっているような感が否めません。

 でも、もう少し聴き込んでみることにします。Sting さんの意図したところと、いま自分の期待していたものが違うだけのことかもしれませんからね。まあ、そんなことを言ったら、みんなそうなっちゃうんですけどね。

 以前までは、「違う!」と思ったら、バッサリ切り捨てる性質(たち)でしたが、あえてバッサリいかないでみる、ということを覚えました。オトナになった、ということなのでしょうか?

 ではでは。



 [追伸]:

 優雅さの中の荒々しさ、荒々しさの中の優雅さ。。と言えば。。

 最近、女性を中心とした民族打楽器ユニットを結成いたしました。

 butterfly effect(バタフライ・エフェクト)といいます。西アフリカの打楽器、ジェンベ(ジャンベ、ジンベ、djembe)を奏でるレディース軍団ですw

 近々、ワイルド&エレガントなライヴをお送りする予定です。ユニット紹介とライヴのご案内はいずれ。。

2010年9月10日金曜日

YASSA HOYA

 先日9月1日、某所でとあるミュージシャンのライヴを観ました。

 9月1日は、防災の日です。そんな理由からか、「満月の夕」(まんげつのゆうべ)が演奏されました。

 「満月の夕」は、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とヒートウェイヴの山口洋の共作による、阪神・淡路大震災を題材とした曲です。中川、山口両氏のそれぞれのグループで、歌詞も曲調もアレンジも異なるバージョンを発表しています。



 作品の成り立ち、二つのバージョンについて等々、詳しく知りたい方は、Wikpedia - 「満月の夕」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E6%9C%88%E3%81%AE%E5%A4%95



 わたくしは、だんぜん、ソウル・フラワー・ユニオン バージョンが好き、でした。

 三線、チンドン太鼓、お囃子というにぎやかな沖縄民謡的スタイルの中で唄われる美しい旋律。力強くもやさしく、かなしみの中にも笑いがあふれるような演奏で、聴くといつも気持ちが落ち着くような気がします。

 対してヒートウェイヴ バージョンは、もっと厳粛とした、重厚なロックバラードといった趣です。

 で。先日のライヴではどうだったのか、といいますと、ヒートウェイヴ バージョンに近いアレンジで唄われていたように思えました。そんなこともあって、ヒートウェイヴ バージョンを改めて聞き返してみまして。これはこれでいいなあ、なんて、改めて思いました。

 被災地でボランティア活動を行っていたソウル・フラワー・ユニオンの中川敬に誘われて東京から駆けつけた山口洋。被災地を一緒に巡る中、ギターと三線で一気に書き上げたメロディが「満月の夕」だといいます。

 その後、『自身の住む東京から見た被災地への思いを「書き足した」』とのことで、ヒートウェイヴ バージョンは、CD音源でも7分超の大作となっています。

 歌詞の違いが示すもの、7分超が示すもの……を改めて考えました。



中川敬──『この2人の距離感の違い(歌詞)は重要で、「旅」という安易な逃げが通用しない。"オマエはオマエの現場でやらなしゃあないんや"ということを否応なく示している』(HEATWAVE『1995』 宣材より)

山口洋──『俺は彼等のヴァージョンを歌うことは出来ない。だから東京でマスメディアが垂れ流す情報を観ていただけの立場から歌を仕上げた。この2つのヴァージョンの違いが示しているものは大きい。良し悪しの問題ではない。』(HEATWAVE『1995』 Self Discography より)



 詞を書き足さすにはいられなかったのでしょうか。厳かに、静かに、重々しい気持ちで向かい合わなくては唄えない、そんな唄なのでしょうか。

 自分の立場で、自分の現場でできること、やるべきことをやる。――という厳しさ、そして、決意について考えた夜でした。